探偵 神宮寺三郎
煙草吸い過ぎ度
★★★★
渋い度
★★★★
 助手・命度
★★★★★★
データイーストが潰れてしまった。まあ、実際には和議申請であるが。現在任天堂中心の私には縁が遠くなっていたメーカーだが、それでも寂しさはある。
かつては変なゲームで有名な会社だった。チェルノブ・ブラッディウルフ・サイレントデバッカー・エドワードランディ…数え上げれば切りがない。まさにゲーマー魂に溢れたメーカーだったとも言える。
ところがここ数年はギャルゲーを出していたりした。仲間内ではかなりいぶかしんだものだ。昔のスタッフはほとんどいないようだ。そして和議申請を聞いて、苦し紛れのギャルゲーだったことを知ったわけである。経営が苦しくなってギャルゲーを出すメーカーは多いが、それが成功したと聞いたことはない。
 
デコ(データイーストの愛称)について語ろうか。いろいろ考えたが、やはり私にとって思い出深いのはアドベンチャーの「探偵 神宮寺三郎」シリーズである。煙草を吸って事件を解決する。彼女なんかも特にいないが、ただ事件を解決していく。事件の結末はカッコよくはない。物悲しくもある。渋いゲームだ。
実は私の一番好きなゲームジャンルと言われると、アドベンチャーと答えることにしている。しかし、実際アドベンチャーゲームを買っているかと言うと、ほとんど買っていない。そもそもにしてゲーム自体が発売されていない。何故かエロゲーには探偵ものが多くて、友達にせがんで借りたり、つまらなそうでも安く叩き売っているものを買ってしまったりする。昔からの友人には「本当に好きだねえ…」といわれたこともある。コンシューマーのアドベンチャーのほとんどはCGだけ力を入れたギャルゲーがほとんど、後はサウンドノベルだが余り好きではない。サウンドノベルは小説だからだ。私は探偵小説は余り好きでない。ゲームだけやると言う変り種である。
 
ゲームの本筋とは関係のない場所に行く。そういったところにおまけのメッセージがあったりする。時折ミニイベントがあったりする。無意味に調べていると思わぬメッセージがあったりする。そういった雰囲気は、探偵小説は当然ながら、サウンドノベルにもありえないことだ。
雰囲気を楽しむ。探偵アドベンチャーの本質がそれだとすれば、神宮寺三郎ほどそれに相応しいゲームはなかった。
例えば「時の過ぎ行くままに…」では回想だからだとゲームが全てセピア色である。こういうこだわり。
 
ここ最近のPSなどの神宮寺は昔の雰囲気があまり感じられないので実はやっていない。しかし、彼を初めとした探偵アドベンチャーの名作たちは今も私の心の中に息づいている。創作するとラブコメでもすぐにそんな雰囲気になってしまう。悪い癖だ。
だから好きなゲームジャンルはなんですか?と聞かれれば、こう答えるのである。「アドベンチャーです」と…。
 
メーカー
データイースト
機種
FCなど
ジャンル
アドベンチャー
舞台設定
ハードボイルド探偵小説風
aA
当初ファミコンのディスクで発売され、ディスクで2作、ファミコンカートリッジで一作発売された。ファミコン時代に人気を誇った名作アドベンチャーである。その後長い沈黙を得てPS・SSで新作を発売するようになって2.3作出されているが、会社の経営不振によりギャルゲーと共に過去の名作に頼った結果であるようだ。
今回のコラムは特に作品を指定していないが、対象としているのはファミコンの四作、新宿中央公園殺人事件・危険な二人・横浜港連続殺人事件・時の過ぎ行くままに…である。確かPSで何の手も加えずに移植したものが発売されているはずである。
2000/2/17
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