デビルサマナー ソウルハッカーズ
主人公地味度
★★★★★★
イライラ度
★★★
 あっさり度
★★★★
小説に「デシダルデビル物語」というのがある。かなり古い小説だが、多くの神話の神々が現代に姿をあらわし、また主人公が神と敵対する構図のため善悪の概念が揺らいでいる。私も小説の方は全て持っているが、なかなか面白い小説である。
それはナムコによってファミコン化された。タイトルは「デジタルデビル物語 女神転生」である。この「女神転生」というのは小説第一巻のタイトルである。敵のモンスター(それ自体神や悪魔)を仲間にし、さらには合体させて新たな仲間を作るというシステムは原作の雰囲気を再現していてなかなか素晴らしい。その際の仲魔の台詞・「コンゴトモヨロシク」はその後のシリーズでも使われ続けている。
その後ゲームでは世界観のみを引き継いで原作とは関係ない「デジタルデビル物語 女神転生U」が発売された。その後開発元であるアトラスが版権を引き継ぎ、スーパーファミコンで「真・女神転生」が発売された。内容的には「デシデビ2」のリメイクとも言えたが、全体的に洗練され、完成された悪魔合体システムは高い評価と人気を受け、ドラクエ・FFに続くRPGとしての評価まで受けた。その後、2・ifなどど続編が作られ、次世代機に移ってからはプレステではペルソナ、セターンでは「真・女神転生 デビルサマナー」が発売された。しかし、私はスーファミの続編をいくつかやった後は離れてしまった。
 それはゲームの本質がずれているとの思いからだ。例えば、「メガテン2」は主人公が天使側の人間という設定で始まっているため、相当ゲームを進めないと自由に悪魔合体ができない。だからやるのをやめてしまった。ペルソナに至っては悪魔合体自体ないようだ。つまりFFと同じように、ストーリー重視になってしまったため、悪魔合体というシステムがおざなりにされているのだ。
 そんなある日、友達が「デビルサマナー ソウルハッカーズ」を私に薦めてきた。それはデビルサマナーの続編であって、もはやメガテンシリーズの続編ではない。しかし、その友達はメガテンからずっとそのシリーズを全てやってきた。私がメガテンを辞めた理由も理解していて、「買った」とは言うものの、続編を薦めてくるというのは始めてだった。つまり、私が望むようなメガテンの姿になっているという事だ。私は貸してくれるという彼の言葉を断り、自分で購入した。
 
 そんなソウルハッカーズは確かに初代メガテンを見事に次世代機に持ち込んだとも言える出来であった。そのキーワードは「地味な主人公」である。喋らない上、はっきり言って主人公は常に一緒に行動するヒロインである。しかし、そのことによって自由に悪魔合体が出来るというシステムになっているのだ。そしてそのヒロインや魅力溢れる脇役たちの存在でストーリーの方もよくできている。昔ながらの本格RPGと、現在主流のシネマティック・RPG、それが見事に融合された作品であるといえよう。
 
 但し、不満はいくつかある。このゲームには様々なシステムが盛り込まれているがはっきり言ってまどろっこしい。面倒くさいのだ。例えば自分のハンドベルコンピューターを自由にカスタマイズできるといっても、僕が思うに「全部使わせてくれてもいいのに」と思うのだ。その他にも、悪魔合体するための素材を探そうにもエンカウント率がちょっと低い上に仲間にするのが難しい(=仲間にする会話がバリエーションに富んでいるため)ので現地調達(そのダンジョンで仲間にした悪魔をパーティに加える)ことも多く、また戦闘バランスもたまに異常に強い敵がいたり、主人公が一撃必殺魔法を無制限にくらうためヘルメットはそれを無効にする防御力の低いものをずっとつけていなくてはならなかったりなど、もうちょっと気を遣って欲しいなと思うところが多い。ダンジョンも同じダンジョンをおつかいイベントでうろうろさせるのは時には苦痛であった。あと、突然エンディングになったのも相当びっくりした。[え、終わり?」という感じであった。一応、二巡目もやる(悪魔合体のLV制限が無くなる)のが普通なそうだがそこまでの気力はなかった。
 
とまあ、いろいろと不満もあるが、次世代機のRPGの中では、最もやり応えがあるのではないだろうか。近くプレステにも移植されるようなので、ヌルいムービーRPGしかやったことの無い人は是非とも挑戦していただきたい。
そして次作以降のメガテンシリーズもぜひこの方向で進化してもらいたいものである。
 
メーカー
アトラス
機種
SS
ジャンル
3D視点RPG
舞台設定
ちょっと未来
aA
有名なメガテンこと「真・女神転生」シリーズのセターン最新作。ストーリーに重点を置いたそれまでの続編と比べシステムの方に力を入れている。また、主人公の地味さを隠すため、個性的な脇役たちの会話によってストーリーが成り立っているのだが、各キャラクターを魅力的に描く事によって成功している。
97年発売 定価5800円 実税価格は4000円程度。
近くプレステに移植される模様。
99/02/27
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