スーパーロボット大戦64
悪ふざけ度
★★★★
バグ度
 たるい度
★★★★
 私はガンダムマニアだが、ガンダムと名のつくゲームはほとんどやらないZガンダムホットスクランブル、あれはひどいゲームだった。SDガンダムのガシャポン戦記は、あれはあれで面白いのだが、サイコロガンダムを見るとどうにも幻滅してしまう。そもそもSDと言うものに対して、それでオリジナルのストーリーまで作って商品展開してしまうというのはどうにも許せないのだ。正直言って、ここまで原作が虐げられている作品もない。
にも関わらず、オリジナルの作品を好きだと言う人の多くがそれを買い求めると言うのは、富野監督の言うとおり、売れたのはガンダムではなくてガンプラなのだ、という結論に、悲しいけれど行きつくことになる。SD大相撲などという作品で、ガンダム同士が廻しを締めて相撲をしていているのを見ても、「こういったゲームをなくすためにはバンダイの出すガンダムのゲームを不買運動するしかないっ!」などと思うのは私ぐらいで、大多数のアニメが好きでガンプラが好きな人たちは、メカの細部描写とアニメチックな演出に、喜んでゲームを買いに走ることになる。
 
 スーパーロボット大戦は、GBから始まった息の長いシリーズである。ハードを買えながら、プレステで発売すれば50万は絶対に見込める作品になっている。構造的不況に陥っている今、この50万と言う数字は、作品的に見てこれ以上伸びることはほぼ無理だろうが、ほぼ発売日にこれだけの数字が動くと言うのはかなりの大物と言えるだろう。作品自体も、レベルを簡単にすることによってシステム破綻をなくすと言うスクウェア方式で、その他のガンダムゲームと比べると余り不評は聞かれない。
 私は当然、ひとつもやったことがなかった。作品の存在自体は一作目から知ってはいたが、食指はまったく動かなかった。私が欲しているのは富野の作品であり、富野が作っていない作品など無意味であるからだ。そしてそのスパロボが、ひょんなことからN64で出ることになった。任天堂と他メーカー・クリエーターの橋渡し役として設立されたマリーガルマネジメントが、働きかけてパンプレトがいくつか作品を出すことになり、スーパーロボット大戦64はそのうちのひとつということになる。制作には同じく他メーカーの支援のために設立され、マネジメントのマリーガルとは別に技術面で支援する招来(まねぎ)が大きくウィンキーソフトを助けての制作となった。
 いくらN64ユーザーであるとはいえ、余り買う気にはなれなかった。しかし、作品の1ヶ月前に「スーパーロボット大戦リンクバトラー」というGB作品が発売された。基本的にはメカで戦闘するだけなのだが、それで育てたキャラをGBパックでN64のソフトに移せるというものだった。ちょうどその時、私がGBでやる作品が無かったことと、10月に何も買うものが無かったという二つの理由で、軽い暇つぶしで買ってみた。私がガンダムのゲームを買うのは、ガシャポン戦記以来、実に12年ぶりと言うことになる。
 その作品自体は、大して面白いものではなく、アムロと勝平、ルールカやプルツーのレベルを上げたところで私は終わりにしてしまった。がここで意外なことに、私が所属している大学のサークルで流行ってしまったのだ。無論、それを最初に買ったのは私だけだが、次の週には二人増えていた。持っている人間が3人いれば対戦するには充分で通信対戦でかなり盛り上がった。
 そこでである。実はスパロボ64の方からリンクバトラーに移せるキャラもいたのである。当然みんなそのキャラを欲しがったが、N64を持っているのは私しかいなかったのである。それはつまり、そのキャラを手に入れるためにスパロボを私が買ってやらなければいけなくなったのである。
 というわけで私は渋々N64版を買い、みんなのカートリッジにそのキャラを移したわけである。私は大体の隠れキャラをゲットした時点で(主人公が複数いるため、それぞれでやらないと手に入らないキャラがいるのだが私は1キャラでしかやらなかった)辞めてしまった。
 一応ゲームのレビューなので、先に作品の批評をやろう。実にひどいゲームだ(笑)。システムはめちゃめちゃである。キャラ数が膨大でそれの把握だけでも気が滅入る。簡単なのでクリアに困らないのだけで、まあいい点だ。
 ただ、どうしてこんなに人気作になったかは大体わかった。ぶっちゃけていうと続編なのである。

 ガンダムには、世間一般でいう続編は無い。ハリウッドの人気作品の続編が作られれば、必ず同じ配役で同じような冒険に出る。つまり前作の繰り返しである。007は一体何度冒険に出たことか。日本で言えば水戸黄門が言い例になろう。偉大なるマンネリズムである。
 ところがガンダムの場合はどうか。そういった観点から見ると、実はガンダムに続編は無い、と言ってしまっても言い過ぎではない。Zで落ちぶれたアムロを見てZを見るのを辞めてしまった人がかなりいたという風に言われている。
 ところがスポロボはどうだろう? アムロがエースとして大活躍している。シャアも毎回アクシズを落としてくれている。私としてもルールカやエマシーンが活躍するのは見ていて確かに気分はいい。それは富野監督が信念を曲げるか、別の監督がリメイクをしない限り見られない光景である。しかし、その光景こそが、本来ファンの求めていた景色であるともいえるのだ。事実パイロットが出てくる作品はスパロボが最初のはずだ。それ以降は他の作品にもパイロットは多数出てくるが、多くのパイロットとメカが登場すると言う点でガンダムはSLGと非常に愛称がよい、ということにもなる。他作品
キャラも総出演すると言うのは東映アニメ祭りの「マジンガーZ対ゲッターロボ」にも見て、私はばかばかしく思うがアニメファンがそういうのが好きということになる。
 つまりスパロボは、これこそガンダムファンが求めていたものそのものではないのか? という結論にまで達するのである。そう思うけれど、ハロボッツやGセイバーはやはり違うだろうと尚更思うが。

 さて、スパロボをやりながらいろいろと思った私であるが、実は今回のスパロボ、かなり楽しませてもらった。今まで書いてきたことと違うではないか?と突っ込まれるかもしれないが、理由はこうである。友達みんなと楽しめたからである。昔はみんなでわいわいとつまらないゲームで盛り上がっていた。それはそれで楽しかった。大人になって、家で一人でゲームをするようになってからは、ひさしく味わっていなかった気分だ。思えばスマブラもみんなでやれば楽しいだろうなあと思いつつ一人でやっている。ゲームもやっぱりコミニュケーションなんだなあと、しみじみ思うわけである。
      

メーカー
バンプレスト
制作
ウィンキーソフト・招来
機種
N64
ジャンル
シミュレーションRPG
舞台設定
宇宙世紀
aA
数多いガンダム・ゲームの中でも最大の人気を誇る作品で、ガンダム以外にも多数のアニメロボットが登場する無戦略SLG。
99年11月発売 定価6800円
2000/9/18
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