1.スタンダード型
2.アップ型
3.港型
になります。
スタンダート型
この型は当然、五色全てを揃える配置のことです。この場合はまず家を五軒建てることが目的になります。そこから巨大化・リッター・最長で十点を目指すことになります。正直スタンダート型では巨大化はきついでしょうが、一軒巨大化すれば普通の家がもう一軒建てられるわけです。二つ巨大化して新たに家を二件建てれば九点になるわけですから、スタンダード型で行く場合は家を立てる場所の確保も大切になってきます。スタンダードな色の配置をしたのに、家を建てる場所が封鎖されてしまっているのではその時点で勝負は終わっています。また、道を作りやすいのですから、最長を取るような発展計画(直線の道を作りつづける)にすべきです。
また、色を欠く若しくは数値が低いものになる場合は鉄に限ります。他の4色は5〜9で全て取りたいです。それが3や11しかない、いわんや欠いている、なんて状態になるのならばスタンダード型の配置にすべきではありません。スタンダート型は、ただ色がバランスよく揃っていると言うことではなく、「道を延ばして家を建てる」というプレイスタイルのことです。例え五色持っていても、それが鉄の6.8ならばそれはもうスタンダード型ではありませんし、手札のバランスが悪い…つまり札は入ってくるけど何も出来ない、ということになります。鉄の6.8を取るのならば他の型にすべきです。
アップ型
日本語で言えば巨大化型です。この型の場合、家を二件建てられれば、アップで8点まで行くわけです。つまり鉄と麦以外は木と土が4枚、羊は2枚あればいいわけです。残り2点は、基本的にカードで稼ぐことになります。
よって鉄と麦以外に羊もあるのがベターです。ただ、無理に羊を取るのならば港を取った方がいい場合もあります。また、家を2件しか建てないわけですから、初期配置から増える色や目がほとんど無いわけです。というか、アップ型で色を増やすことを前提にした発展計画はその時点で間違っています。
また、アップ型はリッターで狙い撃ちされると弱い、という弱点があります。鉄と小麦は2色ずつあるのがベターです。最低でもどちらか一つは2箇所持ちたいところです。そして序盤の7が自分の鉄と麦の赤目を往復するのはアップ型の宿命です。それに文句を言う人や、リッターされると冷静さを失ってしまう人にはアップ型のプレイスタイルは向きません。
港型
2-1海岸を拠点に発展を目指すプレイスタイルです。この場合は家を建てるのも巨大化するのも自由です。基本的には港の資源を新たに増やすか、その資源の家を巨大化するかになります。港の資源は3箇所は欲しいです。何故ならリッターで止められるとアップ型以上に苦しいからです。
最後の配置順になって二つ同時における場合で、5〜9でニつと4か10の3箇所、そして港が取れるならばぜひ狙いたいです。
一つずつ置いて港形で行く場合は、まずは最初の配置で港を確保すべきです。最初に港を取らない場合は、万が一その港が他人に取られても対処のある配置に限ります(他の型に変更できるということ)。例えば港から離れたところで、その港の交換資源の赤の他は2と11の目しかないところに置く、なんて場合は港を取れないと手も足も出なくなってしまうので危険です。
また発展で港を狙う場合、その港で資源が二つ取れる場合は他人が初期で置く可能性が高いですから、その一つ横に置くのが原則です。つまり、その港の二つ横の資源が3つ置ける場所において、道一本を伸ばして資源二つ取れる港を取る、なんて計画は虫がよすぎますし(港のところの目が悪すぎる場合は別ですが)、他人もあなたを潰すためにそこを狙うでしょう。港の横に初期配置して、資源一つしか取れない港を狙う場合は、万が一他人が入ってきても、自分も苦しいですが、資源一つしか入らない相手はもっとつらいはずですから、狙う港の横に置く配置で港を取られた場合はライバルが一人減ったとポジティブに考えて発展計画を練り直すしかありません。
ただ、その港を最後の配置の人が置きそうだなあと思われる場合(赤目だったり、その人の持っていない資源の5〜9だった場合)は、素直に自分の手番で置いた方がよいです。ともかく港型の場合は、あなたを潰すための配置を他人がすることがあるということは念頭に置かなければなりません。
確率論
では、実際に何処に置いていくかですが、港型で無いのなら、スタンダードでもアップでも必要なのは麦です。まずは麦の確保が最優先になるでしょう。いつもいつもうまく行くとは限りませんので、スタンダード型でも色が欠ける局面は多々にあるでしょうが、麦を欠くことだけは避けるべきです。最初の配置で5〜9の麦を取りたいです。赤目の土や羊を取るのなら、5.9の麦を取った方がベターです。
次に、どんな数字を狙っていくかですが、ただ赤においても何の意味もありません。
何故なら目の出る確立は…
2.12 3.7%
3.11 5.5%
4.10 8.3%
5.9 11.1%
6.8 13.8%
7 16.6%
という形になります。よく赤目が出ないと嘆く人が見うけられますが、たった13.8%でしか無いのです。2.12と比べれば高い数字ですが、赤目が飛び抜けて高いわけではありません。
いい目を取ると言うことは、「赤目を取る」というこではなく、「手札が入る確率を高める」ことなのです。
A (8.2.3) (6.4.11)
B (4.5.9) (3.10.11)
初期配置でよくある数字だと思います。Aを選んで、目が出ないと嘆いている人がいませんか? しかし、それは論理的な結果なのです。何故なら目の出る確立は…
A 49.6%
B 49.8%
なのです。 さらに、よく赤目をたぶらせていませんか? もしAの赤目が同じ数字だった場合、手札が出る確立は…
なんと、35.8%になってしまうのです。つまり、三回に一度しか手札が入らないわけです。これで他の数字もダブっていたりしたら…目の出る確立は20%代で五回に一回、つまり4人用で一回りしても手札が入らないと言うのが論理的な結果になっているわけです。
手札が入らないのは、運ではなく、論理的な結果です。目が出る確立をあげる努力こそが必要なのです。
さて、話をまとめますと、数字の出る確立は、2.3.11.12は極端に低いですが、4〜10はそれほど大差ありません。つまり無理をして赤目を取ることは無いのです。また逆に、赤目を取ったからこそ苦しむこともあります。
それはリッターです。リッターはまず間違い無く赤目を往復します。つまり赤目は潰されることを前提に考えなければなりません。先程のAとBの配置ですが、Aはたびたび赤目で潰されて、その度に目の出る確立が13.8%減ることになります。それに対して、Bが序盤でリッターを置かれることはまずないでしょう。場合によってはリーチがかかるぐらいまで止められないかもしれません。Aは実際には目が出る確立が低い上にリッターで潰されるのです。Bの方が有利にゲームが進められることは明らかです。
1 ただ赤目を取るのではなく、その配置手番で最も確率の高いところに置く(つまり赤目が最善の策とは限らない)。
2 2.3.11.12は出来るだけ避ける。
3 赤目はリッターで潰されることを覚悟してから置く。
これが初期配置の三原則になります。リッターで潰される覚悟のない人は赤目に置くのはやめましょう。また、少なくとも、目が2個しかないところに置くことは目の出る確立を10%捨てるものだと言うことも肝に銘じるべきです。
発展計画
よく、初期配置の道一本を無駄にしていませんか? これは、良い目の方に道を向けていて、他人に割り込まれる時に多いです。が、八個も初期配置で家を置くのに、良い目が余ってると考えること自体が、そもそもの間違いなのです。よって初期配置は、資源二つが取れる海岸から一本入ったところに建て、海岸に向けて道を伸ばす、というのがベストです。これならば資源一つしか入らない二つの土地は、あなたの領土になったも当然です。港も一つ確保したことになります。
それでは、目が増えないと言う意見があるでしょう。しかし、その考えも間違いなのです。このゲームの目的は、目を増やすことではありません。10点を取ることです。ゲームが始まったから目を増やそうと言う考えが甘すぎるのです。初期配置で内陸になんて置くのは、封鎖されることが目に見えているのですから、なるべく海岸近くに置くべきです。そして最初の道は、他人の割り込んでこない場所に向けて伸ばすのです。内陸に向けて伸ばしたり、赤目に向けて伸ばすのは危険な賭けをしているのだということを覚悟してから置くべきです。その度胸がないのなら素直に海岸から一本入ったところに置きましょう。ゲーム開始後の家は、一点をとるために建てるのだと言う『原則』を忘れてはいけません。
さて、初期配置についての解説は以上で終わりです。ただ、いつもいつもうまく行くとは限りません。そして強い人でも勝率が低いのがカタンの面白さでもあります。自分の手番になって、カスの配置しか残っていないことも多々にあるでしょうが、勝つための努力を常に怠らないことが大切と言えます。常にその時その時のベストの手を打つよう、心がけるべきです。
テクニック
さて、初期配置が終わってしまえば、後は賽の目に一喜一憂するだけになります。サイコロを振る以外のテクニックについていくつか解説しましょう。
リッターの置き場所
リッターをただ何気に赤目に置いていませんか? リッターをトップの人の赤目に置くのは基本です。ただ、リッターは「トップの邪魔をする」こと以外に、「自分の欲しいものを取る」ということです。例えばその前の手番で他の人に自分の欲しい資源が入ったら、その人にリッターを置けばその資源を奪える可能性があるわけです。もしその人がトップでないとしたら、トップと目を共有しているところにおいて、その資源を持っている人から奪う、というふうにすれば一石二鳥です。
また、一口にトップと言っても、「点がトップ」の人と、「最も十点に近い人」が違う場合があります。例えば巨大化4軒で八点でも、もう家を建てる場所がなく、リッターも最長も他人が持っていて、伏せているカードもない、という人と、七点だけど最強騎士団取れそうで家も建てられる人、でしたら後者を潰すようにしなければなりません。
しかし、リッターで一番困るのは序盤でしょう。どこに置いていいかわからない時は、自分の欲しいものを取ると言うことと、後はなるべくばらけるようにすべきです。カタンは人間を相手にするゲームですから、余計な恨みは買わない方が無難です。相手はコンピューターではありません。潰すならコテンパンにしましょう。
交換
人対人の交換ですが、これには絶対原則があります。それは
「相手の手番で交換をしてはいけない」
ということです。交換をすると、間違いなく相手は建設するはずです。それに対して自分は次の手番の間までにバーストやリッターに合うかもしれません。ただ手札のバランスを良くしたいから交換する、なんてのは頂けません。「交換しないと手が打てない」という人、それは間違いです。何故なら「相手も手が打てない」のですから。少なくとも交換は慎重にやる必要があります。
例えば、交換した後にリッターでも使われような物なら、自分の手札の一枚がわかってしまっているのですから、それが欲しい場合は当然狙われるでしょう。交換は、相手を助ける大きなペナルティを負う、ということは肝に銘じるべきです。
同じリッター対策として、自分の手札がばれるような応対もすべきではありません。「羊なら出るよ」などと口に出してリッターやモノポールを使われたら目も当てられません。「鉄出せる人いない?」なんていうのはリッターの為に誘っているのかもしれません。相手の手番では無言が原則です。
ただ、6人用の場合は少し趣が違います。自分もすぐに建設できるからです。バーストを防ぐと言う意味でも、その交換で自分も建設が出来るなら、積極的に応じても良いでしょう。
もう一つ、交換とは少しずれるかもしれませんが、最近の目を覚えていれば、自分の欲しいものがあるかどうかと言うのはわかるはずです。場に無い物をしつこく要求するのは恥ずかしいので慎みましょう。自分の手札を見れば、ここ最近出た目は思い出せるはずです。
カード
カードを2枚買うコストは、巨大化一回に等しいです。よって買い過ぎるのも無駄ではありますが、有効な手であることにも違いありません。特にアップ型の場合は、最強騎士団は必須でもありますし、シュトラッセンバウルは非常にありがたいです。またアップ型はリッターに狙われやすいので、そこから盗賊をどかすと言う意味でも有効です。スタンダート型は正直巨大化に貯めた方が良いでしょう。
また、6人用の場合は、バーストを防ぐと言う意味でも手札が七枚を越えた場合は、カードを買うのは悪い選択ではないと思います。
もうひとつ、もうゲームが終わりそうなのに自分は4.5点しかない、なんて場合は、あきらめずにカードを買いまくりましょう。理論上は最強騎士団と点数カード五枚全部、それに最初の家2軒で九点になるわけです。最初からそれを狙うのは余りにリスキーですが、もう手も足も出ない時などはやる価値があるでしょう。もし五点の時に点数を連続で2枚引けば七点です。俄然やる気が出るのではないでしょうか? それにそのような状況なら各プレイヤーに入る手札は膨大な数になっているはずですから、モノポールが非常に有効になってくるはずです。ともかく最後まであきらめない、これが肝要です。