Zから見た人と言うのは、普通はやはりZが一番好きな事が多いようです。それは他のガンダムにしても然り。その理由として考え付くのは、こういうと富野監督に失礼かもしれませんが、結局どのガンダムシリーズも全部やっていることが同じだと言うことなんです。無論、全てのガンダムに時代時代の空気が入っていることは間違いありませんが、それは例えば「北の国から」とか(もうやってないけど)「寅さん」とか、ずっと長くやっている作品にも現れることです。野球にたとえれば、例えどんなに野球の質が変わっても・・・先発完投から抑え分業になっても、打線の核が四番から三番に変わっても、やはり長嶋が一番だと言う人がいるように、そして僕ぐらいの世代は原が好きで、どんなに松井が凄かろうが原がいいと言うように、やはり同じ土俵でやっている限りは一番最初のものからはあまり離れられないのではないでしょうか。そしてここまで書いてわかった人もいるでしようが・・・長嶋、原、松井。そう、キャラクターと言うことです。
つまりファーストをキャラクターで見ていた人はやはりファーストが一番に感じてもしょうがないでしょう。Zに出てくるアムロが見るに絶えないと言うのもわかります。Zの人はフォウにサラ、ZZの人はプル・・・そういう風にキャラクターで見ている人は、やはり(その人にとって)最初の作品が一番よいと感じてしまうのではないでしょうか。もし別の作品で気に入ったものがあったとしても、「でもやっぱり俺はフォウが一番だな」なんて言ったり思ったりしているんじゃないでしょうか。
さて、ガンダムを見る人は他にも別の見方を持っている人がいます。ひとつは皆さんもおわかりでしょう。「メカ」で見る人たちです。ファーストからすんなりZに入った人はほとんどファーストをメカで見ていた人じゃないんでしょうか。僕でも黒いガンダムには痺れました。百式やキュベレイなどの永野MSも格好いいですし、僕は一番美しいガンダムはMSZ−6だと思います。そしてそういう人は全てのガンダム・・・G・W・Xを含むモビルスーツに心燃やしているんじゃないでしょうか。ちなみに僕の弟は分類すればメカで見る人間なので、「ブレン」はマシンが格好悪いと言って見てません。
少し話をそらしますと、Gガンダムとウィングについても、メカ以外の人はやはりキャラの人なのでしょう。Wは言うに及ばず、Gについては(僕は見ていないのでよくは知りませんが)ナデシコの中のゲキガンガーみたいな感じで受け入れられているのではないでしょうか。Gというのはとても古いアニメ文法・・・それこそマジンガーZやゲッターロボみたいな感じの凄く古い作品です。それらいわゆるロボットプロレスものにいたっては、ロボットはメカというよりはキャラとして扱わられているというふうに思うからです。
だからメカやキャラでアニメを見る人はGを平気で見れるだろうし、キャラで見る人で既にガンダムにはまってしまった人、もうひとつの見方で見ている人は拒否感を示して当然でしょう。Wに関してはガンダムの文法をある程度踏襲しているので(出来不出来は別にして)前述の人種の人たちでも(僕を含めて)そんなに抵抗なく見れるんだと思います。
さて、もうひとつの見方、それはシナリオで見る人です。キャラで見るというのと区別するために、ガンダムに特化して言うと、それは「ニュータイプと言う概念に憧れる、もしくは共感、興味、理解を示す」と言うことです。ニュータイプというのは、ただ単に人が進化したというだけじゃなく、もっと言えば人に対して認識力を広げるだけじゃなく、時代・世間と言うものに対して認識力を広げ、どう対処するのかということではないかと私は思います。
つまり私がガンダムを見ると言うのは、それらに対し富野監督の示す事象やもののとらえかたに触れ、そして自分の考えを深めていくと言うことなのです。私と同じような見方をしない人でも、シナリオでガンダムを見る人は自分の考えを深めるためだと思います。そういう人たちはGなんか見るに絶えませんし、どのガンダムも拒否感は示さずに見ているはずです。
そしてもっと言えば、そのようなファンをないがしろにしたガンダム作りを強制してきたからこそ、現状のガンダムがこのような状況なのじゃないかと、僕は不満を持つわけです。
ガンダムビックバンプロジェクトなるものにより、来年から富野監督による新しいガンダムTVシリーズが始まるそうです。しかし、僕はガンダムが見れると言う期待とともに不安も持っています。特にZ以降のガンダムの問題点を挙げるとすれば、富野監督がその人の良さでスポンサー、様々なファン全ての期待に応えようとして結局作品が分裂してしまうと言うことです。特にプロジェクトの発表会で監督は「Gも含めて今までのガンダムを肯定してやりたい」とおっしゃったそうです。それもやはり富野監督の人の良さが言わせたこと・・・全ての期待に全て応えようとする監督の人柄の有り様だと思います。だから、僕は一ファンとして監督に言いたいことは、「自分の思う、最良の作品を作ってください」というだけです。