飛べない鳩

雨に濡れた鳩が  橋の下で寄り添っている
僕が目の前にたたずんでも  翔くことなくたたずんでいる
疲れ果てた空を見上げて  せわしなく歩いている
だけど飛ばない  だって飛べない

いつもなら逃げ出すけれど  それよりも心が重い
いっそ捕まって  楽にでもなるか
休まず飛び続けるのにも  いい加減疲れた
そしてこの雨も  心を癒すのには満ち足りない

おや  鳩がこっちを見て笑っている
そういえば僕も
飛べない鳩だったんだ
 
 
 
 
 

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