あやつり人形
くるくると くるくると
私は回る あやつり人形
貴方がそう望むから 貴方の思うがままに
くるくると くるくると
私は回る
いつも貴方は笑ってくれる
私に向けて 私のために
でもね 気付いてしまったの
貴方の微笑み まるで仮面のようねって
私じゃ駄目なの 貴方の心に残れない
くるくると くるくると
私は回る 笑顔のままで
泣いているのに 笑顔のままで
だって私 あやつり人形
涙なんて流せない
繰々と 狂々と
私は踊る 貴方の掌で
歯車が狂っていること 分っていても
踊ることしか私には出来ない
繰々と 狂々と
いつまでもずっと 踊っている
貴方が望む その時まで
甘い悪夢が 終るまで
くるくると くるくると
私は笑顔で踊り続ける

仮面舞踏会
「つまらない」とそう吐き捨てて 全てを嫌っていたあの頃
自分に欠けた「何か」を探して でも見つけられずに苛立った
初めから 見つかるハズなんてなかったのに

なのに 出会ってしまった 俺たち二人
誰にも言えない秘密を抱いて 殺那の快楽を楽しんでいた
それが どんな結果を招くのか あの時は知らなかったから

「くだらない」「くだらない」「くだらない」
繰り返される 自嘲の嵐
嗤うことでしか自分を表現できない 不器用な子供
仮面をつけて 永遠の殺那を楽しんでいた

遅すぎた出会い もう既に俺は引き返せない
突然すぎた出会い まだあいつは何も知らなくて
そして 心は引き裂かれる どうしようもなく遠い所に
何もかもが「予定通り」で 気付けば俺もパスルのピースに変ってた

彼女は奏でる 破滅の曲を
俺は踊る 仮面をつけて
悪夢の終る その時まで


ミンナ・ガ・スキ ミンナ・ガ・キライ
軋んだ音を立てて 何かが壊れていく
あれは何? 私のココロ? それとも 誰かのイノチ?
分からない 分からない 分からない
何もかもが無彩色のこの世界 私には何も分からない
澄んだ音色を響かせる 金の鈴がどこかで鳴っている
リンリンと リンリンと どこか遠くで鳴っている
あれは何? あれは何? 綺麗なのに 私には見えない
完璧な笑顔を浮かべる 完璧な演技
気付いてないの? 自分の抱いた鳥籠の中身に
憎んでみせる 怒ってみせる 誰にも分からないように 偽りが
気付いてないの? ほら とっくに骨になってる
軋んだ音を立てて 何かがまた 砕けていく
あれは何? 私のココロ? それとも・・・
両目を閉じれば何も見えない 耳を塞げば何も聞こえない
気付いてないの? あなたの抱いた鳥籠の中身
入っていたのは 一体だぁれ?
分からない 分からない 分からない
両目を閉じて 耳を塞いで 私は演じる 自分の役を
I like ALL,because I don’t like ALL
気付いてはいけない 本当のことを
I love him,because I don’t love him
気付かれてはいけない 本当の私を
ワタシ ハ ミンナ ガ スキ
気付いては駄目 気付かれては駄目 本当のことを
ワタシ ハ ミンナ ガ キライ
誰も知らない 知られちゃいけない 本当の私を
せめて 悪夢の時が終るまで
せめて あなたが自分に気付くまで
気付かれては いけない・・・

砂の器
サラサラと音もなく 砂時計の砂が落ちる
決っして滞ることなく 単調な時を刻む
サラサラと音もなく 掌を擦り抜けていく 淡い記憶
一度見失なえば 二度と元には戻らない

鏡に映る 二つの虚像
運命という言葉をもし使えるのなら
誰か教えてくれないか 俺の本当の望みを

サラサラと音もなく 砂時計の砂が落ちる
決断の時はもう間近に迫っていると
サラサラと音もなく 砂時計の砂が落ちる
選択をせずにはいられないのだと
俺のことを 嗤うように
サラサラと音もなく 砂時計の砂が落ちる

あまりにも突然すぎた 二人の出会い
心の準備なんて 何も出来ていないのに
あまりにも遅すぎた 二人の出会い
もう既に 他の誰かと出会っていたのに
それでも サラサラと砂は落ちる
砂は 落ちる・・・ 


ア・イ・シ・テ・ル
愛してる 愛してる 愛してる
壊れたレコードみたいに繰り返す
あなたには届かない 愛の言葉を
愛してる 愛してる 愛してる
分っているの 私じゃ駄目って

誰よりもあなたを想っているの
だから お願い 微笑まないで
諦められなくなってしまうから
私じゃあなたを幸せに出来ない

愛してる 愛してる 愛してる
壊れたレコードみたいに繰り返す
歪んだ想い 歪んだ愛を
愛してる 愛してる 愛してる
いっそあなたを憎みたい(でも 駄目ね)

あなたは多分 気付かない
私の想い 私の愛に
それでいいの それが私の望みだもの
だから お願い 振り向かないで
あなたにだけは 幸せになって欲しいから
私じゃあなたを幸せに出来ない 


それでもボクは生きている
何も彼もが予定されている
生れた時から ボクの全てが
絶対の運命として 予定調和の名の下に
それでも ボクは 生きている
あがいても叶わない 求めても得られない
シニカルな笑いを浮べることしか ボクには出来ない
おどけた道化の仮面をかぶり 笑顔を殺して
泣くことも許されず ただ黙々と従うのみ
それでも ボクは 生きている
全てのモノが ボクを縛る
ボクは何も欲しくない そう叫ぶことは許されず
本当に欲しいものは 決っして与えられない
それでも ボクは 生きている
壊れた心の破片を 必死に拾い集めて
奪われた夢を探し 見知らぬ街を彷徨う
涙の流し方なんて 忘れてしまった
他人の痛みを思う そんな心はもうどこにもない
それでも ボクは 生きている
そう 運命の人に ボクは出会えたのだから

楽園のリンゴ売り
アイはお金で買えないっていうけれど
お金でアイは買えるのかしら?
どこかにあるの? 真実の愛 永遠の愛なんて
もしもあるとして 一体それに どんな価値があるの?

刹那の快楽 求めているけれど
それで充分 私は満足してるもの
泡沫の夢に過ぎないって あなたは私を責めるけど
真実の愛なんて 私 別に欲しくない

蛇の差し出す真っ赤なリンゴ
禁断の味 一度知ったらやめられない
あなたもいかが? 真紅の滴り
快楽をもたらす 魅惑の美酒は

お金じゃ買えないものもある
あなたはいつも そう言うけれど
人の生命もお金で買える 悲しいでしょう? それが現実
心はなかなか買えないけれど 私は別に欲しくない
お金で買えないものもある それは確かに真実だけど
そんなの別に 求めていない

さあ踊りましょう 楽園の果てで
蛇の差し出す リンゴをかじり
黒い翼の天使と共に
刹那の快楽 終わらせないために

真紅は滴る生命の流れ
一杯いかが? 真紅のワイン
愛しい人の血は ほら 暖かいでしょう? 


封印呪縛
最愛の人を失った時 私は涙を流さなかった
最愛の人を失った時 私は運命という言葉を知った
最愛の人を失った時 私は理由もなく悟った
私からただの戯れで 全てを奪ったあの人に
身も心も 魂すらも捕らわれたことを
私は自分を騙せない
私は自分を裏切れない
憎まなければいけないのに
私は魅せられ 逃げられない
あの人の孤高の強さを 私は愛してしまった
何者にも侵されぬその誇りを 私は愛してしまった
憎悪と愛情 相反する二つの感情を胸に
私は今も あの人の側にいる
私があの人を殺す その時まで
最愛の人を失った時 私は涙を流さなかった
最愛の人を失った時 私は運命という言葉を知った
誰も幸せになれない恋もある
傷付けずにはいられない愛もある
多分 私は逃げられない
自分で作った この牢獄からは
私は自分を欺けない
私は自分を許せない
強い人が好きだから
私は魅せられ 逃げられない
最愛の人を失った時 私は知った
自分の運命を
私はもう逃げられないのだと

作者後書き

 どうも、お久し振りです。今回は「愛の色 恋の形」から半分ネタバレになる 危険性を秘めつつ(笑)、それぞれのキャラの心象風景を描いてみました。流石に どれが誰のものかが一目瞭然ではまずいので、ダミーが二つ混ぜてあります(笑)。
 まぁ、もっとも、混ぜなくても分りっこないという噂もありますが。全部分る 人がいたら・・・凄いですね。まだ書いてない伏線を見抜いてるってことに なりますから(笑)。
 とりあえず、次は四月の頭頃に本編でお会いしましょう。それでは。

平成11年3月5日(金)
by夢☆幻

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