「巨人はセンターラインの崩壊が一番の原因なのに、センターがローズでは話にならんよな」
「小久保を取ったら、江藤も出さないとしょうがないですよね…」
「まあ、あそこも来年は駄目だろ。清原がキャンプで肉離れ起こして、ファースト・ペタ、レフト・ローズと言う布陣になったら突っ走るかもしれないけどね」
「…またそんな酷いことを。最終的には3位になりましたけれど、よくあそこまでボロボロになりましたよね」
「それは結局、原の采配ミスだろう。ペタジーニが1ヶ月程離脱したが、ファーストで使っていればあの故障は無かったろう。清原がいないのに、ファーストは清原だからとか言ってライトで使っていたからな。それに清水も肉離れが完治する前に一軍に上げて、より負担の大きいセンターなんかで使い出したから結局最後まで打撃に影響した。河原も信頼することは大切だが、引っ張り過ぎたよな。三回連続で失敗したら、一端中継ぎでリフレッシュさせないと。そしていきなり2軍に落としたのではプライドも何も無い。信頼するとか言っておきながら、いきなり2軍じゃねえ。原監督は頑固な人だが、今年はそれが全て裏目に出た感じだよな。そしてその頑固さで辞任までしてしまったというわけだ」
「中日はどうなんでしょう」
「川上・朝倉とローテが二人も怪我で離脱したのでは優勝は無理だろ。逆によく2位に入ったと思うよ。今年は打線も良かったしな。アレックスは中盤息切れしたが、広いナゴヤドームが本拠地なんだからあの守備力は魅力的だよな。来年は放出したギャラードと大塚の代わりのストッパーさえ確立できれば、優勝候補だな」
「落合監督はどうなんでしょう?」
「投手をちゃんと使えるかだよな。山田も朝倉や平井など、投手はちゃんと育てている。野手がちゃんと使えずにクビになった。昔、横浜の監督だった権藤もそうだったし、逆に王は巨人時代は投手の使い方がとても下手だった。だから野手出身の監督は投手起用がちゃんと出来るかが全てだろう。だから投手も野手もわかる捕手の監督がいいと俗に言われるわけだがな」
「広島は今年は上位に予想する人が多かった割りには5位でしたね」
「ここは昨年、ようやくローテが出来たから、今年こそはの期待があったんだが、そのうち長谷川が一年通して使えなかったからな。広島は代わりがいないから、いくら黒田・高橋・佐々岡がいいピッチングをしても、先発3人では勝ち様が無いだろう。新井の不調も痛かったが、その分はシーツがカバーしたから打線はそれなりだった。かと言って来年も先発4人とも無事とは限らないからねえ…」
「ヤクルトはペタジーニと藤井が抜けたので一つずつ下がった感じですね。鈴木が大活躍と言っても、岩村がその間いなかったわけですし。…阪神と横浜は過去も散々いじくったので割愛します」
「パリーグは、西武も近鉄も怪我人に泣いた形だな。近鉄は打線のチームなのに中村が半分ぐらいしか出れず、西武も投手陣が自慢なのに一年通して投げたのは、谷間の後藤だけだからな…」
「それは谷間とは言わないのでは…」
「本来は先発6番手だった後藤が一年通して軸となって10勝。1ヶ月半休んでいた松坂より勝ち星少ないからな。でも、後藤もいなかったら西武はボロボロだったろうけどな。しかし、来年は松井が抜けるし、近鉄もローズがいなくなるからダイエーの優位は変わらないな」
「ダイエーは小久保が抜けましたけれど…」
「別に今年は一試合も出てないしな。新垣は今年もそこそこで来年もそこそこだろうが、斉藤と和田と杉内で40勝は計算していいだろう。さすがに来年も斉藤が20勝するとは思わないけどな。ただ、小久保が抜けたことによって松中がかなりキレているから、来年はちゃんとやらないかもな。今年も歩けない状態でやっていたが、あいつの膝は持病だから、来年はそこまでしてやらない気がするな」
「すっかりパリーグは3強3弱が定着しましたが、下位の3チームはどうなんでしょうか」
「オリックスは近鉄を抜いてプレーオフに出れるかもな。伊原が監督になって、あの監督は特別優秀だとは思わないが、今年の様に両翼やセカンドが外人ということはなくなるだろう。2遊間は打てなくても守れる選手を使い、そして外野が谷と村松なら、得点力は落ちるだろうが守備はぐっと安定する。元々投手はそこそこなんだから、守備が生まれ変われば5割そこそこまでは行けるだろう」
「ロッテはバレンタインが復帰しましたね」
「あそこも選手だけ見れば、ミンチー・清水・小野・加藤・小林宏という先発5本柱にストッパーの小林雅、野手もショートに小坂、センター・サブローにファーストの福浦。さらに今年は外人のフェルナンデスが3割30本100打点で、さらに堀が何をとち狂ったのか3割20本。攻撃も守備も素晴らしいチームになっている」
「…それがなんで今日本で一番優勝から遠ざかっているチームなんでしょうか?」
「やる気がねえからだろ」
「そんな殺生な…」
「私はよくマリンスタジアムに行くのだが、ただ投手は投げているだけ、野手も打っているだけ。あそこのチームには戦略というものが足りないんだよな。野村とか森とかが監督になったらめちゃくちゃ勝ちそうなんだがな。そういった意味では、バレンタインは日本のレベルから言うとそうでもないが、メジャーでは戦略家に入る人だから、レベルの低いパリーグならまたやってくれるかもしれない。この前は2位だったが、今年はプレーオフがあることを考えると、短気決戦に持ちこむとやはりポテンシャルがものを言うからな、そう言う意味ではダイエーとロッテがかなり有利だ。西武はリーグ戦は一位かもしれんがプレーオフは厳しいかもな…」
「最後に日ハムは?」
「新庄入団おめでとう」
「…それだけですか?」
「あそこは小笠原に坪井という打率1位・2位のコンビがいて、外国人もしっかり打っている。ショートに金子もいて野手は特に悪くない。しかし投手陣は先発の柱はいない、抑えは日替わりだという恐ろしい球団だから、まず補強すべきは投手陣なのに、新庄なんか補強したって最初の一年は多少は観客が増えるかもしれないがな…。あれは補強とは言えないよな。一応、新庄に押し出されるセンターの井出を出して先発を取ろうとしているけどなあ…。正直オリックスが補強しているし、来年は最下位候補だよな」
「来年のパリーグは、ロッテとオリックスが旋風を巻き起こすのか期待と言うところですね」
「でもやっぱり、3位まで出れるプレーオフは間違いだよなあ…」
「しょうがねえだろ。カードが全部決まってから総評を書こうと思っていたら、三日前なのにまだ決まってねえんだよ」
「…K-1ダイナマイトは全部決まりましたけど、他の二つはまだ全部決まっていませんからねえ…。なんでこうなっちゃったんでしょうか?」
「猪木が銭ゲバだからだろ?」
「…そんな身も蓋も無い…訴えられますよ…」
「だって今までTBSでやっていたのに、日テレに乗り換えてるんだぞ!? しかも元々猪木は新日本なんだから、テレビ朝日でやるのが筋ってもんだろう。銭ゲバ以外の何者でもないよな…。なんたって、あのパフォーマンスのビンタは1発何万と決まっているんだ。クライアントが払った分しか殴らないんだよ」
「はあ…しかし、なんでこうなっちゃったんでしょうね?」
「さっきも言ったように、TBSは2年連続して猪木祭が成功したから今年もやるつもりで年始めから動いていた。だが、PRIDEを持っているフジテレビが、そんなTBSばかりにおいしい思いをさせてたまるかと猪木祭強奪に乗り出した。その金額が余りにも大きいから、TBSでは夏頃にはもう猪木祭は駄目だろうという事になった。が、猪木祭というのはK-1が運営していて、それにPRIDEや新日が選手を貸す形だったから、K-1は元々はフジテレビで始まったけれど今は日テレやTBSでも放送していて、昔ダイナマイトという総合格闘技もTBSとK-1でやった事があるから、猪木祭が駄目ならK-1はK-1でやろう、と言うことで、夏前の段階でフジのPRIDEとTBSのK-1に分裂することは周知の事実だったんだよ」
「…それを、日テレが横取りしたと言うわけですね?」
「K-1とTBSはそれを受けて、正式にダイナマイトを発表した。だからカードもあらかじめ固まっていたから既に確定している。逆に慌てたのがフジテレビとPRIDEを運営しているDSEで、最初は共倒れになるからやらない、という話もあったんだが、他のテレビ局にさらわれてたまるか、というのもあって強行開催することになったんだ。ここでPRIDEと猪木祭りで選手の取り合いをしたわけだ。つまり、PRIDEに出てはいるけれどフリーであるクロコップ、ノゲイラ、ヒョードルの3人の取り合いだ。K-1はK-1で選手を抑えたから問題が無かったが、この二つは選手をちょうど折半する形になったから、カードがいつまで経っても決まらなかった。PRIDEは3人はさっさとあきらめて抱えている選手で別のカードを作ったから、今は大体決まっているけれど正直カード的には厳しいよな。ただ、もっと厳しいのは猪木祭だ」
「ヘビー級外国人3人を取ったつもりが、結局誰も出そうにないですからね…」
「ノゲイラとヒョードルは、本人は猪木祭に出るといったがPRIDEとの独占契約書があって、ヒョードルは所属事務所を変えるなど色々裏で手を回したが、結局法律的にどうやっても出れない事が発覚して欠場、ノゲイラはPRIDEに出場を要請しているがとてもウンとは言わないだろうから欠場濃厚、そしてこれを書いている昨日、唯一本当にフリーだったクロコップが怪我で欠場だ。クロコップの相手だった高山、ノゲイラの相手だった永田は二人とも相手が変わるなら出ないとしている。大物なら心変わりして出るかもしれないが、大会が3つもあって、大物も小物もほとんど残っていないんだよな。つまり、メーンの三大マッチが消滅してしまったわけで、藤田も相手は元ヘビー級チャンピオンのボクサーと大物とは言え日本では無名だし…日テレのプロデューサーはクビになるんじゃねえか?と心配してしまう程の状況だよ。結局、日テレは格闘技団体を抱えていないからな…」
「でもノアがありますよね。猪木も新日の会長だし…」
「日テレのプロデューサーも発表の時に「ノアにも出てもらう」と言っていた。しかし翌日に「うちは出るわけない!!」とノア側が怒りまくったから無くなった。総合格闘技だというのもあるし、散々ノアを馬鹿にしてきた猪木が主催しているというのもあるだろう。あらかじめ話ぐらいしとけ、という話だよな。そして新日はPRIDEとは絶縁状態だが、K-1とは蜜月状態だ。PRIDEとK-1もクロコップの件でほぼ絶縁状態になってサップは今年PRIDEに全く出ていないから、「敵の敵は味方」というわけで手を組んだ。だから猪木祭とK-1の二股なんだよな。K-1には中邑と成瀬が出て、猪木祭は永田と安田だ。ただ新日も1/4にドーム大会があるから、本音としては余り出したくない。これ以上の出張は無理だろう…」
「本当に猪木祭は崩壊寸前ですよね…。で、もう一つ。ハッスル1はどうなんでしょうか?」
「レッスル1が今年の1月の分を最後に運営されていないが、あれは武藤と石井館長が企画して、DSEが運営したという大会だった。しかし、石井館長が捕まってしまったので、一月の第2回は石井館長の歯止めがないのでフジテレビがふざけ過ぎて大失敗してしまった。武藤は自分主導で開催しようとしたが、4月はお金がなくて延期、九月は会場まで抑えたけれどサップが怪我をしてしまって延期、と延期続きだ。そんな中、DSEに二つの問題が発生したんだ」
「…なんなんですか、それは?」
「一つはゴールドバーク。石井館長と契約したみたいな話が出ていたけれど、正確にはDSEと契約していたらしいんだ。5試合の契約を結んでまだ2試合しかしていない。試合をしないと違約金払う羽目になるから、取り敢えず三回開こうと言う話で、実際一月以降も3月と5月に開催が決定している。どんなに客入りが悪くても、ゴールドバーグとの契約がまっとうされる5月の大会まではやるだろう。そしてもう一つは、レッスル1に出場したコールマンとランデルマンが、もう総合は嫌だ、プロレスをやりたいとゴネているらしいんだよな」
「…なんでですか?
やっぱりプロレスの方が楽だと舐めているわけですかね?」
「舐めてはいないが、楽だから、というのはあっている。総合格闘技やサッカーは短距離走、野球やプロレスは長距離走だからな。短距離走型のスポーツは30歳で体力の限界だ。だからプロレスにシフトしたがっているわけだよな」
「それで結局ハッスル1は大丈夫なんでしょうかね?」
「取り敢えず第一回の大会は、カードも悪くないし3万人の会場ならまあまあ埋まるだろう。川田・橋本・小川がそれぞれコールマン・ベイダー・ゴールドバークという外国人の強豪と試合するわけで、ZERO-ONE系と全日系のファンがそれなりに来そうだし。ただ第二回以降はつらいだろう。だって俺、対戦カードがもう思いつかないもんな。結局ハッスル1はプロレスラーを抱えていなくて、PRIDEは世界中からアマチュアの選手をかき集めているから選手層は厚いけれど、プロレスはやはりプロレスラーで無いと難しいからな。そして日本でレスラーの半分以上を占める新日ともノアとも断絶したままじゃすぐにカードが組めなくなると思うよ。全日の選手とZERO-ONEの選手はそれぞれのリングでやっているから、ハッスル1でやっても意味無いしな…」
「WJも潰れたも当然ですし、猪木祭もこけて、DSEも大晦日とハッスル1の客入りが悪いとつらそうですし…今年の春にプロレス界は暗い、という話をしていましたが、まさにそんな一年の締めくくりに相応しい状況になっていますね…」
「まあ、私は来年も全日の武道館大会には何度か行こうとは思っていますがね…」
「…長いからDSでいいか?」
「デュアル・スクリーンの頭文字でDSなんですが、プレリリースだと片仮名なんですよね…」
「まあ、仮だし、間違いなく商品名は変わるだろうがな」
「なんでこの時期に発表なんでしょうかね?」
「発売が12月と言うことでちょうど一年前。サードパーティに開発器材を渡す頃だから、そうするといくら任天堂社内で隠していてもバレてしまうから、取り敢えず発表だけしたのだろう。ドラクエVIIIも週刊ジャンプから漏れた訳だしな」
「で、ゲーム機の方はどうなんでしょうか?」
「…実機もソフトも何も無いのにわかってたまるか」
「…PSPと同じ台詞じゃないですか…」
「まあ、あちらは2年前でこちらは一年前。それにあっちは発表会だがDSはマスコミ向けのプレリリースだから、かわいいもんだがな。それでも正直、3月決算前に株価を上げて評価額を上げるという計算が無いわけではないだろう」
「でも、確かに今まで無かったゲーム機ですけれど、すぐにそれが面白いのかというと、いいも悪いも想像つきませんよねえ」
「まあ、売れるようにしたければ、GBAのソフトも動くようにしちゃえば一番だけどな。CPUもGBAと同じ系統のを二つ積んでいるわけだし」
「なるほど。でも、そうすると専用ゲームがなかなか出てこない可能性もありますよねえ…」
「というか、PS2もGBAもそうだしな。両対応でDSだと2画面で遊び易く…なんて方法も考えられる。だかそうすると、任天堂の掲げる『全く新しい異質な体験』というのは、ないがしろになる可能性はあるけどな」
「はあ…そうすると…売れなそうですか?」
「GBAと互換性が無いなら、厳しいだろうな。値段が安くて面白げなマリオやゼルダが出るなら別だが、GBAが一万円でデュアルになるのだから、個人的には二万円かな?と思うし。バックライト無しにすればもっと安く出来るだろうが、さすがにそれは辞めて欲しいし…。ただ、個人的には期待している」
「そうなんですか?」
「だって、デュアルモニタって普通に便利だし」
「…それは貴方がモニタいくつもあるからでしょうが…」
「だから、それが普通の人たちにとっては『異質な体験』になるわけだろう?」
「まあ、言い様によってはですけどね…」
「最近のRPGとかは、戦闘画面でごちゃごちゃ情報が出過ぎて見にくいが、デュアルなら戦闘画面とデータ画面で別に出来る。ポケモンの対戦で言えば、ポケモンの細かい情報をいちいち画面を切り替えなくても下の画面に出ているわけだ。スポーツゲームもいちいちポーズをかけてデータ画面を呼び出さなくても下に映っているし、STGなども下の画面がオペレーターで、指示が出たり、情報が出たり、アクションゲームも相手を追いかけるのに、自分の画面と相手の画面が出たりとか、まあ素人の私が考えてもそのぐらいのアイデアは出てくる。それは一画面で出来ないことではないが、デュアルモニタをやっている身としては便利なことは事実だ。あとはこの『便利さ』がどれだけ一般にも受け入れられるか、という事だろうな。それでもGBAとの互換性が無ければ最初は苦戦するだろう」
「まあ確かに、最近のゲームは中央だけとか、上半分とかだけでゲームをして、残りは情報だったりしますからねえ」
「PSOもレーダーやコマンドが別画面ならどれだけやりやすいかって事だな。まあ、その為に新ハードをわざわざ買うのかという話に戻るわけだが」
「あとはE3でゲームが出品されるのを待つしかないですね。PSPも展示されますし、PSやXboxの次世代機も展示は無くても発表は充分可能性がありますし、かなり期待出来そうですね」
「…一応、これで終わりですか」
「最後に大賞を発表しておこうか」
「わかりました。それでは…2003年アルチザン・ゲーム大賞は「メイドインワリオ」です!!」
「任天堂がN64の頃から提唱していた『重厚長大ではないゲーム』をようやく体言したゲームであり、今年一番というだけではなく、ゲーム史に残る作品になるだろう。しかし、これの売り上げが50万本では、任天堂が主流になる事はもう無いのだろう」
「結局毒入っているような…」
「次回は野球の話になる予定です」